2008年4月19〜20日 シンガポールで開催された2nd Congress of Asian Society of Cardiovascular Imaging(ASCI)に参加してきました。
心臓放射線研究会学術研究助成に選考いただいたことに深謝いたします。4月18日には心臓CT教育コースがあり、320列MDCTのライブデモも行われました。
私の演題は“Role of Cardiac CT in Patients with Coronary Artery Disease: Interaction with Nuclear Cardiology”で、冠動脈CTAと心筋血流SPECTの関係についてのポスター発表を行いました。日本、韓国、シンガポール、マレーシアやタイなど22カ国から602名の参加者があり、盛大な会合でした。シンガポールは日本や韓国からは遠いですが、その他の地域からは比較的参加しやすい場所だったようです。
北米には1972年からNorth American Society of Cardiovascular Imaging(NASCI)があり、心臓血管領域の画像診断において既に中心的な役割を担っています。ASCIは今後アジアにおける心臓血管画像診断の中心となっていくであろうと思われました。日本、韓国以外の国においても心臓血管画像診断が高いレベルで行われていることを知り、自らの無知を反省した次第です。
その一方で、この学会の中心的役割を果たすのは日本と韓国であることも間違いなさそうです。日本には心臓血管放射線研究会があり、その歴史と質の高さからもASCIに大きな影響を与えるものと思われます。その意味でも3rd Congress of ASCIが栗林教授を代表として日本で行われることは意義が大きいと思いました。
このたび、心臓血管放射線研究会にご援助いただき、2008年4月19〜20日にシンガポールのFurama Riverfront Hotelにて開催されました2nd Congress of Asian society of Cardiovascular Imaging(ASCI)に参加させて頂きました。
ASCIは今回で2度目の開催であり、私自身は初参加でしたが、RSNAやECRなど欧米主体の学会とは異なり、小規模ながらも熱気にあふれる会場に、アジア地域における心血管領域の画像診断に対する関心の高さを実感することができました。
今回はProspectively ECG-triggered axial scan(SnapShot Pulse)を用いた低被曝線量の冠動脈CTの演題をポスター発表させて頂きました。ポスター会場は企業ブースの部屋の一角と、エスカレーターホールの一角に分離されており、閲覧スペースがやや手狭であったことと、ディスカッションタイムが無かった点が残念でしたが、セッションの合間の休み時間などにはポスター展示も多くの参加者でにぎわっていました。
メイン会場はセッションによっては立ち見が出るほどの大盛況で、東芝の320列CTやシーメンスのDual Source CTに関する演題の他、冠動脈、心機能の評価における至適な造影法や前投与薬使用の是非、撮像法、さらに撮像後の解析に至るまで、多数の演題が組まれていました。唯一、前日に行われていた教育講演に参加できなかったのが心残りではありましたが、日本で開催される次回以降も積極的に参加させて頂きたいと思います。
最後に、ASCI参加にご援助頂きました心臓血管放射線研究会にお礼申し上げます。